10の特長

10の特長

「クラピア」は、多様な緑地の課題に応える特長を持ったグランドカバー植物です。

雑草低減効果

クラピアは地表面を緻密に覆うことで、飛来してくる雑草種子の侵入と発芽を低減し、防草効果を発揮します。

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芝の場合

クラピアの場合

芝は葉が上向きに生長する為、飛来してきた雑種種子が地面に落ちやすく、次々と発芽してしまいます。

横に幾重にも重なりながら生育するクラピアは、飛来した雑種種子が地面に落ちにくく、発芽もしにくい。

クラピアは「防草シート」との併用が可能。シートが飛来する雑草種子の着地とすでに土中にある雑草種子の発芽を抑えることで、雑草抑制効果が倍増します。

効果をさらに向上させ防草効果を高めたい場合や、元々雑草の多い土壌への植栽、茎葉が全面を覆う間の除草の手間を省きたい場合などは「防草シート」を併用した植栽工法を推奨しています。

維持管理コストの低減

クラピアは葡萄茎で横に広がる性質のため、芝生よりも定期的な刈り込みを低減できます。被覆後は定期的な水やりの必要もなく、緻密に覆うことで雑草低減効果もあり、他の地被植物に比べて維持管理コストの低減が可能です。下図は、「クラピア」と「コウライ芝」のコスト比較です。導入時は芝よりもクラピアのほうがコストがかかっていますが、ランニングは安価に抑える事ができ、3年目以降からのトータルコストで見ると、クラピアの方が安価です。

下記グラフは横スクロール表示になっております

専用防草シート工法(4ポット苗/m²)施工コスト比較

クラピア VS 芝 コスト比較(イニシャル+ランニング)累積 コスト円/年/㎡
※プロによる工事費用を含めたコスト比較です。

これまで防草や緑地の維持管理にコストがかかっていた場所についても、クラピアを導入いただくことで管理コストの削減につながります。

土壌流出防止

写真のようにクラピアの根は土壌深く張り、根量が多いことが特長です。この根が地下深くまで直根を伸ばすことで土壌をしっかりと抑え、法面保護や土留めの効果を発揮します。また、根が地中深く伸びることで乾燥に強くなり、全面被覆後は水やりは不要になります。こんな急斜面でもクラピアが繁茂すれば土壌をしっかり押さえて流出させません。

6ポット/m² 植付
クラピア
クラピア2か月後

このような急斜面でも、クラピアが繁茂すると土壌をしっかり押さえて流出させません。

芝とクラピアの根の比較

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クラピアの根
根
根の密集

クラピアの地表面近くの根の密集写真。土を洗い流してもこれだけの量の根が密集しているので効果的に土の流出を抑えます。

<参考>沖縄の海の生態系を脅かす赤土の流出抑止試験

赤土の土壌にクラピアを植栽することで、99.5%の土壌流出抑止効果が実証されました。

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2000年8月:植栽
2000年11月:被覆85%

こちらは沖縄県で実施した試験写真です。
沖縄、琉球列島に見られる赤土は植物が育ちにくく、雨が降るたびに河川から海へと流れ込み、豊かな海の生態系に影響を及ぼし、サンゴ礁が死に至る現象も増えるなど、自然を脅かす環境問題としてさまざまな保護への取り組みも行われています。
その一環として、2000年に琉球大学と共同により「クラピア」を活用した土壌流出防止実験を行いました。クラピアを植えた区画と赤土のままの区画で、降雨後の流出水量と赤土の流出量を比較したところ、赤土の区画は水と共に赤土も流れ出ていますが、クラピアの被覆した区画からは雨水がほとんど流れず、赤土の流出もほぼゼロという結果となり、クラピアの土壌流出防止効果の高さが証明されました。

赤土流出抑止試験資料ダウンロード

繁殖スピード

クラピアは、芝の約10倍の速さで広がる生長スピードも大きな特長の一つです。
生長期(5月~8月)に4ポット㎡で植栽するとおおよそ2~3か月で地表面を覆います。

生育経過

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植栽直後(6月)植栽直後(6月)
32日目32日目
53日目53日目

沿岸でも生育する「耐塩性」

海沿いや沿岸地域でも生長。高い耐塩性を有する緑化植物です。

クラピアは、もともと海岸近くに自生しているイワダレソウが原種のため、塩には強い耐性を持っています。
海水のしぶきがかかる場所でも生育できますので、海沿いで緑化が難しい場所への植栽に適しています。塩害を受けた土壌でも大規模な改良を行うことなく生育できる希少な植物です。

<茨城県沿岸の植栽写真>

何度か台風も経験した後に撮影した写真ですが、クラピアは影響を受けず生育しています。但し、海水が連日大量に掛かり続けると衰退、枯死の可能性はあります。

植栽試験

以下は塩分濃度(EC値)別のクラピア植栽試験画像です。これまで行った試験では、EC値が10dS/m程度まではストレスは受けるものの生育します。

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塩分濃度 EC 2 ds/m EC 3 ds/m EC 4.5 ds/m EC 5.5 ds/m EC 7 ds/m
2014年
7月21日
EC 2 ds/m
EC 3 ds/m
EC 4.5 ds/m
EC 5.5 ds/m
EC 7 ds/m
2014年
9月11日
※参考値:海水のEC値は45 dS/m位、雨水は0.05dS/m、野菜などを育てるには0.5dS/m以下が目安です。

環境に配慮した「在来種」

<在来種>
クラピアは沖縄に自生しているイワダレソウから改良を重ねて開発した品種で、全品種農水省に品種登録されており、「生態系被害防止外来種リスト」から除外されています。植栽場所の生態系に影響なく、安心してご使用いただけます。
※「ヒメイワダレソウ」は、環境省・農林水産省が共同で公表した生態系被害防止外来種リストにおいて国内の生態系に被害を及ぼす恐れのある外来種として重点対策外来種に指定されています。
<不稔性>
クラピアは品種改良の過程で種をつけないよう改良しています。その為、意図しないところに種が運ばれて発芽し、勝手に広がることがありません。また、クラピアは日照を好んで生長する植物ですので、日陰では生育が遅くなり、完全な日陰では衰退します。背丈の高い他の雑草の陰になってしまう場所でも広がりません。
「種で広がらない」「日陰に弱い」ということから、植栽地を逸脱して環境を汚染するリスクが低い植物といえます。

耐踏圧性

クラピアは、全体に被覆した後に上を歩いたり踏んでいただいても問題なく利用でき、踏まれる事で葉が小さくなり、より緻密なマット状に繁殖して花数も少なくなるという特長があります。
芝生が擦り切れるような場所ですとクラピアも擦り切れてしまいますが、成長の早いクラピアは短期間に回りから再生し被覆します。

※シート併用の場合は、直植えと比較すると根の張り方が少ないために耐踏圧性がやや低くなります。
踏まれていない部分
踏んだ部分

路肩や駐車場敷地内で車の往来がある場所でも植栽いただけます。

多年生植物

クラピアは多年草です。
日平均気温10℃以下になると休眠に向かい、翌春に芽吹いてグリーンが広がります。

多年草のクラピアは、一度植えると毎年被覆し、開花も楽しめます。常緑ではありませんので、休眠時期は褐色になります。
野芝と比較すると休眠に入る時期は遅く、緑の期間が長く楽しめます。奥の緑がクラピア、手前の枯れているのが野芝で3月の様子です。クラピアは南法面で条件が良いですが、野芝とこれだけの耐寒性の差があります。

開花期(5月~8月)
休眠期(1月~)
※当社小山市の場合

防草シートとの併用が可能

防草シートを単独で使っている場合、紫外線劣化により防草シートが破れ、シートの交換が必要になります。クラピアは、防草シートと組み合わせて植栽できる数少ない緑化植物としてさまざまな工事で導入されています。クラピアと専用防草シートを併用した場合、クラピアが防草シートの上に広がることで紫外線を遮り、シートの耐用年数を伸ばすことが可能になります。シート単独で使用するより、クラピアを併用したほうが長期でのコスト削減ができ、同時に美観の向上にも効果的です。

クラピア用防草シートの上で被覆途中のクラピア

全面被覆するとシートは見えなくなり、シートに直接紫外線が届かなくなります。

クラピアマルチシートの通根の様子

地表に伸びたランナーの節から出てきた根がシート下まで貫通し、地中にどんどん根を伸 ばしていきます。

<店舗周辺法面への防草シート併用工法による植栽現場経過>

シート併用工法でクラピアを植栽した現場です。クラピアが常にシート上を覆っていることでシートが保護され、7年経過してもほぼ劣化することなく防草効果を維持しています。

2013年7月施工
2020年9月撮影
クラピア被覆下の防草シート

7年経過しても劣化はみられません。

<「クラピア+防草シート併用」と、「シート単独」施工比較>

クラピアシート工法で施工した場所は、数年経過してもシートの劣化もなく、美しい景観を維持できます。防草シートのみの場合、周囲の土が堆積して雑草が生えたり、紫外線の影響を直接受けることでシートが劣化し破れてしまうため、短期間で張替えが必要になります。

クラピアと防草シート併用

シートの劣化もなく美しい景観を維持できます。

防草シートのみの場合

劣化が進み張替えが必要になります。

美しい景観

「クラピア」は春から夏にかけて1cmくらいの可愛らしい花を咲かせます。開花期間は5月~8月と比較的長く、一面のお花畑のような風景をお楽しみいただけます。刈込みの頻度を増すことで葉が小さくなり、草丈低くより緻密なグリーンカーペットの仕上がりになり、1つの植物で表情のことなる美しい景観を楽しめる植物です。

開花したクラピア
刈込み後